久しぶりに伊坂さんの作品です。
本屋さんでも見かけたことがなかったのですが、図書館で見つけたので借りてきました。
嫁姑の争いのお話から始まるのですが、姑が怖すぎて…嫁もものすごく強いはずなのですがそれでも越えられない存在という設定が、よくある話なのかもしれないですが、面白かったです。
後半は、その後のお話。
昨今も情報社会と言われていますが、情報社会の闇というか、よくない部分が時代が進むとどうなるか、という伊坂さんの描く未来の姿なのかなと思います。便利すぎて不便。情報がすぐ手に入るが、その情報は正しいのか。情報に操作されて事実がねじ曲がっているのではないか。重要な情報は敢えて紙でやりとりする、というのが、一周回って戻ってきた社会のあり方として描かれているのが新鮮でした。
これまで読んだ伊坂作品の中で一番楽しめました。
この感想を何度言ったかわかりませんが、常にそれが一番面白い。
場面設定も独特ですが、何より響くのは、伊坂さんの人生観から醸し出されている名言の数々。
Twitterでも伊坂幸太郎botというのが名言を呟いてくれていますが、10を知って10を出すのではなく、
100を知っているからさらりと10のことを言えるんだろうな、というのを節々に感じました。
流してしまう人もいるかもしれないけど、その「さらり感」が調味料となって、余計に響きます。