正直、枕草子のことはよく知らない。
有名な一節、と言われてもよく分からない状態で読み始めました。
1000年前の恋愛事情を恋愛のプロ、清少納言が描いており、当時の男女のマナーがよくわかります。
著者の解説がわかりやすいです。
通い婚が常識だった当時、雨の日に男性に来てもらうのがよいのか、雨の日でない方がいいのか、など、
細やかな女性の心情が今の私たちにも通ずるところがあると思いました。
やっぱり女性が男性に求めるものって、
生活スタイルが変わろうとも、
なかなか変化するものじゃないんですね。
この本の中では枕草子だけではなく、紫式部が書いた源氏物語との比較もなされています。
それぞれについて解説するだけでなく、清少納言より後に活躍した紫式部が
清少納言のことをどのように思っていたか、それは何から読み取れるか、ということまで紹介してあって、
当時の人間関係がうかがえるのもおもしろいです。
また、男女の関係におけるマナーのみでなく、人として、
どのような振る舞いが上品であるかも清少納言は枕草子のなかで書いています。
それも、言葉遣いの、現在で言う「ら」抜き言葉のようにあるべき文字を省略して遣ったり、
正しい言葉をわかっているであろう人たちがあえてそれをしないことを批判しており、
これも、1000年経っても変わらないのだなと思います。
不思議ですね。
不思議だけど、変えていけばいいところと、変わらないでも大丈夫なところがあるのは、
そんなもんだよな、という気もします。
自分は変わっていない、成長していない、という人がいて、そういう部分もあるかもしれないけど、
周りからみるとこんなところは良くなったと思うよ、というだけ。
変に謙虚になって、いや、そんなことないです、私は成長していないんです、というのなら、
業務がどうこうではなく、まずはその考え方から変えてみるべき。
それがいちばんの成長になりそうですね。