「兜」は殺し屋なのに、読み進めていくうちに兜のことを大好きになっている自分がいる。。
久しぶりに伊坂さんの作品を読みました。
妻の取説のような、兜の心情の描写がおもしろすぎて、こんな旦那さんほしい、と思ってしまいました。
妻をみて、どのように振る舞うべきかを考え続けた結果、特に勉強しようとしなくても自然と人への思いやりが生まれてきて、兜は変わっていったんだろうなあと思います。
相手の立場に立って考える、ということが兜はすごく得意で、それは妻や息子とのコミュニケーションで培われたものなのだろうと思います。
何より謙虚。
そしてとても優しい、というのかな。
相手に気を遣える=優しい、なのかはわからないけれど、
兜はとても優しいのだと思います。
優しくなくて、自分のこと、自分の家族のことしか考えてなかったらこんな判断しないな、ってことをたくさんしています。
だから好きになって、応援したくなっちゃうんですね、殺し屋だけど。
途中の展開にうっとなるのですが、最後まで読むと計算し尽くされた構成に脱帽です。
グラスホッパーやマリアビートルも昔読みましたが、ここまであったかい話ではなかったかと思います。
久しぶりに読んでみようかな。