『逃げる自由』為末大
『諦める力』の続編で、それを読んでそれでも諦められないのだがどうしたらよいか、という読者からのお悩み相談に回答するコーナーがあります。
そこで、自分の周りの人に対する不満を投稿する方が何人かいるのですが、そんな人たちに対する、優しすぎない言葉選びが心地いいです。
自己啓発本は許しかしごきかで、両面持っているのが自分の著書だと為末さんはおっしゃっています。
全力で相手を認め許すのではその人は何も変わることができず、成長もなく、結果、不満の対象である周りの状況も何も変わりません。
本当に相手のためを思って発言するとこうなるんだな、と思うのですが、まずその人自身に何か問題がないか、できることはないかという話から入り、不満を抱いている相手にはもしかしたら問題はあまりないのではないか、という回答パターンなのかなと思います。
このような回答をいただけたら相談者の方々もまずは自分のできることからやってみようと、万が一それで状況が変わらなかったとしても、その人がまた別の悩みを抱いた時、その時自分を変えてみた経験はプラスに働くのだと思います。
■頑張る対象を絞る
「頑張らなくていい」というメッセージは、頑張る必要のないことを頑張らなくていい、ということで、全てのことに頑張らなくていいというわけではない。
頑張らなくていいよ、とただ言われるよりも合理的で説得力のあるメッセージだと思います。
他人からしたら自分が頑張っているかどうかなんて大した問題ではなく、大した問題になるとすればそれはそのように発言している人の問題だったりもするのだと思います。
■しょうがない
為末さんのおばあさまの口癖だったそうです。
「しょうがない」と言えない人生はつらい。執着がある人ほど言えない。
私も考えてみましたが、意外と難しい。
先日書いた、「なんとかなる!」とも似たものを感じますが、くよくよ考えずに自分が正しいと思ったことをやったらあとは流れに任せる、ということはなかなか難しいのではないでしょうか。