高校1年生の時の担任の先生が授業中の雑談で、
最近可愛い娘と繰り返しジブリ映画を観ている
という話をしてくれたことがありました。
繰り返し観ているとそれまで気づかなかった映画のメッセージに気づくようになると話していて、
例えば千と千尋の神隠しでは、名前を大事にしないと忘れてしまう、と、
ニックネーム、あだ名で呼び合う社会への問題提起なのでは、
というような話だったと記憶しています。
この小説も、夢の世界と現実の世界を行ったり来たりしながら、
あっちでこうだったからこっちはこう、のような会話がありますが、
大事なのはそういうことではない、というメッセージがあるように思いました。
あまり書くとネタバレになりそうなので避けますが、
人としてどうあるべきか、というような指針も学べる内容だと思います。
そもそも夢と現実を行ったり来たりするという設定がおもしろく、
珍しく挿絵もあり、それがまた不思議な世界観を演出していて他にはない作品になっていると思います。
あとは先日読んだAXもそうでしたが、
キャラクターの独り言がおもしろいです。
相手を馬鹿にしているわけではないのですが、的確に相手のキャラクターの矛盾点を捉えていて、
ちょっとしたお笑い要素になっていると思います。