東野圭吾本人が、数年ぶりに読み返してみて今の自分には書けない内容だ、と言っているのが読み始めてすぐにわかる。
リアリティがないのにリアル。
ストーリーにリアリティがないのに描写がリアル。
こわい。
でも、あるのかもなあ、こんなことも。と、思えなくもない。
交通事故ってよく起こることだけど、あと信号1回分、せめて、3秒ずれていたら、といつも思います。
先日判決が下りた池袋の交通事故の件で、友達が、被告は「2人も殺した」と言いました。
でも、法律的には「2人を死なせてしまった」となります。
2人の命が奪われたという結果は同じでも、加害者がわざとやったのか、わざとではなかったのかによって、法律が下す罰には大きな差が生まれます。
被害者や遺族からしたらどちらにせよ、その人の行動、判断によりその結果を招いたという事実に変わりはなく、わざとじゃなかったとしても、落ち度があったよね、と責めたくなります。
今回の件で言うと、高齢なのに免許を返納せず運転した、ということになるのだと思います。
私の祖母は80代で免許返納済みですが、特に社会的なルールになっているわけではないです。
要は、起こってみないと反省できないことだったんですね。
起こってみると、ああ、なんで免許返納していなかったんだろう、とか、周りからも、いや返納しておくべきでしょ、というような意見があるかと思います。
でも、仕事でミスをした時も同じような思考になります。
いつもならあと1回確認したんだけど、とか、なんで2ヶ月前の私はそんな判断をしたんだろう、とか。
起こってしまったことは変えられないし、被害者が加害者の落ち度を指摘したくなるのも当然です。
だから、起こしてしまったら自分を守ることなんて二の次で、全力で謝らなきゃだめですよね。
全力で謝ったら、誰かが守ってくれます。
何かの本に書いてありました。
話はそれましたが、交通事故が題材になっているのでそれについて考えてみました。
被害者の無念さ、加害者の保身や心を病むほどのダメージ、金に目が眩む若者。
それらが交錯してできたストーリーです。
そして読み終えてから知りましたが、三浦春馬でドラマ化してたのですね・・・。
観たいけど、、一人では観る勇気がでない・・・。